京都府木造住宅耐震診断士 のいる建築事務所〜橘建築 |
素材の問題ではないのです。
もし、素材によって耐震性が変わるとしたら「鉄筋コンクリートの建物なら地震に強い」といった発想になりますが、悲しいことに阪神淡路大震災の時に、多くの建物が崩壊しました。
つまり鉄筋だから、木材だから、という問題ではないのです。
耐震性を意識し魂のこもった仕事をしたか。
一言でいうと「手抜き工事」であれば、どんな素材を使っても崩壊する可能性が上がるということです。その建物に、いずれ人が住むということをイメージして創るとしたら、「手抜き工事」など恐ろしくてできないはずです。
和風建築は地震に弱いと思われがちですが、壁の配置を考え、筋交い金物を使う事で耐震性を高めることができます。仕事に魂を込めれば、自然と知恵を絞り、適切な仕事が生まれると考えています。
瞬間的な強度だけで素材は判断できません。永い間住む家だからこそ、粘り強い素材を使うことによって耐久性が増すのです。
例えばスギ板。強度で言えばコンパネのほうが上ですが、橘建築は「永く使える」という視点から考えてスギ板を使用したりと、その場限りの家を作らないよう心がけています。
ここでいう「その場限り」とは、20年程度のことです。
屋根などの消耗する箇所の修繕は必要ですが、やはり住宅は100年を基準に考えるべきでしょう。そのためには、見た目強そうということよりも、その素材が持つ本来の強さを引き出す建築「弱そうに見えても本当は強いもの」を使用していきたいのです。
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