今の家には、新しくて便利なものがたくさんあります。スイッチ一つで「すぐに」暖かくなる部屋、タイマーで動かせる電気製品。
それでいて今の家に、昔からずっと残り続けるものがあります。土壁の家、瓦の屋根、木材の柱。
それらをよりよい形で組み合わせた建築は、たくさんの人が「美しい」と感じることでしょう。これらの良きものが残り続けるのには、理由があるはずです。
橘建築は、「新しいから良い」「古いものが良い」といった、偏った考え方ではなく、古くから残る「間違いなく良いもの」と、取り入れるべき「新しいもの」の調和を図るよう、努力しています。
その際、スイッチひとつで「すぐに」暖かくなることが、絶対に必要なことなのか?と考えてみます。もちろん、丹後の冬は寒い!だから暖が必要です。でも、その代償に何かを失ってもいいのでしょうか?例えば、本来あるべき人間の健康であったり、季節感を感じる心であったり。
ただ、今の社会で「スイッチひとつ」を使わずに生きるのはなかなか難しいでしょう。だからこそ偏らず、うまく物事を調和し、良いものをバランスよく取り入れていくほうがいいのです。
古いものが、必ずしも良いものとは限りません。しかし、今でも残る「間違いなく良いもの」には理由があるのです。それは、何かを代償にして手に入れる「楽さ」ではなく、人間としての豊かさを提供してくれるものです。
そして新しい技術も「良いもの」だと分かれば、それは必要です。橘建築のすべては「良いもの基準」。これらの良いものを、よりより形で組み合わせるのが、私たちの家創りです。
孔子の言葉です。過去に起きた事や知識を学ぶことにより、そこから新しい知識を得たり、最適な判断をできるようにする、というような意味です。
古き時代にはコンピュータのように何かを自動でやってくれるものが無い分、人は「知恵」で生活をカバーしていたはずです。その創造力は、本当に素晴しい!だから、先人に学ばない手はありません。
橘建築は、学んでいます。
古いものを知るためではなく、新しくより良いを生み出すために、学んでいます。
温故知新という言葉の教えに習い、これからも現代のよりよい家創りを目指していきます。
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