自分の家を創る感覚で、家創りをしています。当然のことながら、それは橘建築の自己満足や、趣味ではなく・・・。
実感が欲しいのです。この家には、いずれ「人が住むんだ」という実感。想像してみれば、この家に住んだら、冬はどんな雰囲気になるかな、といったイメージが湧いてきます。そのイメージの中に住んでいる人は、笑顔かな?それともつらそうな顔をしているかな?と。
そのイメージの中の「人」が笑顔であるかどうか想像するには、自分に置き換えるほかに方法がありません。どれだけ努力しても、相手と自分を同じにすることはできないからです。
自分の家を創る感覚と、お客様の理想を汲み取ることとは、一見矛盾しているようですが、等しいことだと言っていいかと思います。先にお伝えした通り、実感を伴って家創りにあたるために自分に置き換えて考えてみる、ということは必要ですが、やはり、お客様の感覚を汲み取るという前提があっての事です。
さらに理想なのは、お客様からの声を聞き、私たちが知恵を絞ることで、より良い結果が生まれることです。
つまり、最高の目的はお客様の理想をそのまま形にすることではなく、理想以上のものを生み出すことです。そのために、できる限り知恵を絞るのです。
建築の世界でも、新しい技術はどんどん生まれています。多くの場合、一見時代に合っていると思われる工法は、大々的に宣伝され、多くの家がその工法で作られます。大量に生み出されるものの中に当てはめる考え方です。
それが悪いことだとは言い切れませんが、橘建築は、ちょっと違います。
家を創る場合、同じ物は2つとできないはず、と考えます。お客様の数だけ家の種類があるはずです。となると、1つの工法で全ての仕事をまかなえるはずがありません。状況によって方法を使い分けるのが、橘建築の理想です。
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